タイトル | : Re^5: 佐野市在住同世代リーマンなんだが |
投稿日 | : 2008/05/07(Wed) 21:49 |
投稿者 | : UK |
フィッツジェラルドの「グレートギャッツビー」の
冒頭の一説。
「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだ」と
この視点は大事ですね。
> 言ってることがよーわからんわ。
> 少しずつ答えますわ。
そうですね、少しずつ話をすり合わせましょう。
> 自己責任・自分で選んででそうなってるんでしょ。甘えてるんじゃないの?じゃそういった立場から脱却する努力をすればいいのに。
努力が実る背景を持っている人は努力も実るでしょう。
いすとさんと私の大きな違いは
「努力」の前提にあります。
「努力」はゼロから立ち上げるのではなく
環境的、経済的、外的、先天的要因のあるなし
で実るかどうか決まると私は思っています。
努力すればなんとかなる、というのは成功者の話。
それを一般人に敷衍できないのは
彼らが先天的にもつ外的要因によると思うのです。
非正規の問題は、特に社会の構造的要因が
一般的な努力では解決できないところにある。
> 仕事が合わなかった事もあるのかな?でも努力や忍耐が足りない方も多くいらっしゃると思うのですが。そういった方についてはどうお考えですか?答えてくだされ。
否定しません。
>入社して直ぐ辞められると会社にとっては大きな損害になるわけです。会社は利益を追求するのですから。会社に利益をもたらし、その代わりに報酬を得る。基本ですが。それが嫌なら、自分で起業すれば宜しい。起業できない?じゃ社会が悪いんですか?
まず前提が違う。
会社は利益を追求するだけではありません。
コーポーレートガバナンス、企業の社会的責任では
労働者の権利も守られてしかるべき。
この前提で語りましょう。
もし、労働者が条件や待遇改善に折り合いがつかず
退職した。
それが自己都合であれ、
今の労働市場はあまりに新卒偏重であること。
構造的にフリーターが再生産されやすいことが問題なのです。
(何度も言ってるな・・・)
まぁ、第二新卒であれば職探しも比較的易いでしょう。
一方、スタート(高卒・大卒後すぐ)がフリーターや
非正規であればどうか。
フリーターに対してOJTを実施する企業もありますが、
現状はマルクスの言うような
「労働の単純化、分断化」がなされています。
だからこそ非正規は経験が乏しく正規採用が厳しい。
(では学べと?磨けと?
だから、経済的に、学力的に厳しい人、
つまり個人的背景が異なるがゆえに
努力すらできず、それが実る余地もない人もいるわけですよ。)
スタートで躓いた人に
あまりにも選択の幅が少ないのが私は問題だと思うのです。
選択権がある、求人誌を見ているだけだとそう思いがちです。
しかし、現実は違います。
選択権があるようにみえて、その幅は小さい。
>> 「お前もやればできる、さぁやってみろ」とは
> >簡単に口に出すべきではありません。
>
> 真似しろとは言わない。でもなぜ言ってはいけないの?
そうですね、言っていけないことはない。
しかし、それを口に出すには
セーフティネットが張られていることが前提です。
> 責任って言うけど何の責任ですか?弱者を助ける責任ですか?ネットカフェ難民を助ける責任ですか?自己責任ってねえ、もう成人したいい大人でしょう?自分の行動に責任くらいもてないの?自分で就きたい成りたい職業が有ればそれに向かって行動すればいいだけでしょう。
しかし、あなたに不慮の事故が起きて
働けなくなった。
そのとき、誰があなたを助けてくれるのですか?
自助?
でもみんながそうなれるわけではない。
少なくとも社会は、自助、共助、公助で成り立っています。
助けを求めてばかりはいられないのは事実。
しかし、バランスは重要で
今の社会は共助や公助が少ないのです。
> 努力してから言ってくれ。努力している人を卑下するつもりはない。
私は努力していますよ。
正規雇用者に負けない働きをしていますよ。
それをここで証明できないのはいささか遺憾ですが。
> ハア…、フリーターがその置かれた環境を打破しようと努力する事は大いに賛成なんですが。
では応援してください。
自己責任だけではない現実が
フリーターにあるのです。
> >「政治の怠慢をどう崩すか」
> 「弱者の声なき声をどう社会に訴えるか」
> 「戦争が望ましいのか」
>
> 政治の怠慢は有権者が悪いと思います。何故かって?民主主義ですから。民(たみ)が主(あるじ)なんですから。政治屋ではなくて政治家を選べばいいんじゃ無いの?
そうです、しかし、あなたには政治家を見る目があっても
すべての国民がそうとは言えません。
だからこそ、マスコミや赤木さん、あなたや私のような
言論の自由、表現の自由の中で
あるべき社会を議論するのでしょう。
> 戦争が望ましい?…なんで戦争なのかよーわからんわ。職に就けない、貧困層から抜け出せないのは社会が悪いんだ!じゃ、戦争起こせ?
貧困が固定化されて、既得権益が上部からこぼれてこない。
だから、一度社会をリストラクションするために戦争を、
というのが赤木さんの議論だと思います。
> すまないが、表層だけ見てはいないよ。
> 競争社会を生き抜く為にはそれなりの努力が必要である。それが出来ない人は取り残されるだけだ。取り残されたからって、助けてくれる会社は少ないよ。助けてくれる会社が有ったとする。その会社も利益をあげていかねば成らない。利益を上げられない人は又別の会社を選ぶなりすればいいんじゃないの?
努力の重要性は認めます。
しかし、万年非正規の労働者がする努力と
「努力が実る背景をもつ」労働者の努力は違います。
そして会社に求めているというより、
企業を含めた社会に求めている。
> 赤木氏の著書を読んでいないけど、社会は甘くないよ。UKさんもそうだが、すこし甘えているよ。
甘えてはいない。
赤木氏もこれだけの反論や非難を受ける
ことを理解しつつ、
発言(選択)の責任をおっているわけです。
> 自分で起業するなり、職についてからココがおかしいとか言った方がいいと思うよ。だから痛く感じるんですよ。
私は某飲食店で店長代理の責任者として働いています。
非正規ですが、必死に
仕事以外のことを学び続けています。
私には赤木さんのようなラディカルなことは言えないけれど、
自分の置かれた環境を変えたいし、
私以上にひどい立場の人を救いたいと考えています。
長くてすみません。
おそらく、いすとさんは
「努力していないフリーターを認めない」
と言っているのだと思います。
しかし、その「努力」は具現化されたとき
努力として価値が発揮される。つまり結果を出したときですよね。
私は、「努力」だけで非正規雇用や貧困の問題を語るのが
乱暴だと言っているのです。
簡潔にまとめる力がなくてすみません。
こりゃ、赤木さんに消されるな・・・